top of page

COLUMN-FIQURE

コラム②

​~代表の独り言とかQ&Aとか~

 さて、ハイレンジIQテストに挑戦される方は必ず通る道、
「FIQURE」について書いてみます。

※出てくるIQ値は全てSD15です。

 FIQUREはEvangelos博士が主宰する高IQ団体の入会資格として認められていることから、世界的に人気の高いテストです。ちなみに上記団体であるHELLIQ,CIVIQの会員の多くがこのテストを利用して入会した方々と言われています。
 
 シーリング(測定上限)がIQ166とハイレンジIQテスト(便宜上ここでは時間制限のない高域IQテストをハイレンジIQテストと呼びます)と比較して低いことや制作者とのやり取り無しで簡単に受けられること、30分間という時間制限の中で解くこと等が特徴です。

 有名なテストですので、このサイトに辿り着いた方の殆どが、すでに受けているか、これから受けようと考えていることと思います。


 ここでもう少し詳しくFIQUREについて考察していきたいと思います。まず、このテストのスコアはハイレンジIQテストやWAISと比較して高い数値を示します。スペインのテストクリエイターPaul Laurent Miranda氏の調査によると約18ポイント高く出るとのことです。私の調査(ページ下部の資料1)では平均で9.24ポイント高く出るとなっていますがシーリング付近でスコアが上げ止まることを考慮するとやはり先行の研究に近い値だと感じます。
 

 他にFIQUREの特徴として、スコアの集中が挙げられます。スコアはIQ140後半-IQ160前半、特にIQ150-IQ164に集中しています。これは、識別能力があまり高くないことを表しています。簡単に言うとハイレンジIQテストで高い数値を出す人もその逆の人も近い数値に集まるということです。

 とはいえ、ハイレンジIQテストとの相関については有意であり、簡便なテストで概ね能力が「高い」か、そうでないかを検査することができます。ちなみに私の調査ではFIQUREの受検者29名について、各受検者が受けたハイレンジの平均値との相関係数を算出したところ0.57でした(弱い相関)。

 概ねFIQUREのスコアがIQ150を超える場合は行列推理の能力が高いと考えて良いと思います。※高い(主観に依存するため)の基準は特にありませんが、ハイレンジIQテストが楽しめる可能性が高いといった感じでしょうか。

 また、シーリング近くではハイレンジIQテストとの相関が下がります。これは、当て推量パラメータ(選択式であるため、2択くらいまで絞り込むことで発生する運の要素)の問題、シーリング付近の不安定さ(たまたま解けない1問の存在の有無が及ぼす影響)等が理由だと思います。分かりやすく(IQは学力ではありませんが)学力に置き換えてみますと、センター試験では東京大学理科三類受検者の優劣を十分に測れないといった状況に近いかと思います。

【まとめ】 
 要するにスコアが「高めに出る」こと、「団子になりやすい」ことを認識していれば手軽に受けられる良い検査ということになります。ただ、このテストはNORMやスコア分布などの重要な情報が一切開示されておらず、ウェブで受けられる簡易テストの域を出ていないとも言えます。

 

 最後に、これはどのIQテストにも言えることですが、IQテストのスコアはその人の人間的な価値と無関係です。また、「頭の出来」とも違います。ただ「そのIQテストがどれだけ解けたか」という意味しかありません。
 

 スコアを真に受け過ぎず、また一喜一憂せず、程よく利用したり、時には楽しんだりしましょう。

​資料1

 完全に私の主観ですが、テストクリエイターやテストの特徴を表した図を描いてみました。縦軸は高いスコアの出やすさ、横軸は平均から外れた時にスコアにかかるバイアス(突出した場合スコアに大きく反映される)です。

bottom of page